大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和47年(特わ)370号 判決 1972年7月24日

被告人

1 本店所在地 東京都千代田区外神田四丁目一一番五号

宮崎電機株式会社

(右代表者代表取締役 宮崎昌則)

2

本籍 千葉県習志野市谷津町四丁目五六三番地の二

住居

右同

職業

会社役員

宮崎昌則

昭和六年九月三日生

被告事件

法人税法違反

出席検察官

宮本喜光

主文

1  被告人宮崎電機株式会社を罰金五〇〇万円に、被告人宮崎昌則を懲役六月にそれぞれ処する。

2  被告人宮崎に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となる事実)

被告人宮崎電機株式会社は、東京都千代田区外神田四丁目一一番五号に本店を有し、電器機販売等を目的とする資本金三〇〇万円の株式会社であり、被告人宮崎昌則は、被告人会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人宮崎は、被告人会社の業務に関し法人税を免れようと企て、仕入の一部を過大に計上して簿外預金を設定する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四三年三月一日から同四四年二月二八日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が一七、七七七、三三九円あつたのにかかわらず、同四四年四月三〇日東京都千代田区神田錦町三丁目二一番地所在所轄神田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五、〇〇四、〇六七円でこれに対する法人税額が一、五一八、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額五、九八九、四〇〇円と右申告税額との差額四、四七〇、六〇〇円を免れ(別紙一、四)

第二  昭和四四年三月一日から同四五年二月二八日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が二九、〇三三、二〇八円あつたのにかかわらず、同四五年四月三〇日前記神田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九、〇五四、九四一円でこれに対する法人税額が二、八三八、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額九、八二一、一〇〇円と右申告税との差額六、九八二、三〇〇円を免れ(別紙二、四)

第三  昭和四五年三月一日から同四六年二月二八日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が四一、七二二、三四六円あつたのにかかわらず、同四六年四月三〇日前記神田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九、三〇一、四二七円でこれに対する法人税額が三、〇七二、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額一四、九七六、六〇〇円と右申告税額との差額一一、九〇三、九〇〇円を免れ(別紙三、四)たものである。

(証拠の標目)(かつこ内は立証事項、数字は別紙の番号)

一、被告人の当公判廷における供述および検察官に対する供述調書(全般)

一、被告人に対する大蔵事務官の次の質問てん末書

1 昭和四六年一二月二一日付(一の1、三の1)

2 昭和四七年二月二日付(二の10、三の9)

一、被告人作成の次の上申書

1 トツプ商品のたな卸について(一の8、二の8、三の7)

2 昭和四六年二月末における棚卸商品について(三の7)

3 相沢氏より土地購入の資金について(一の10)

4 ハワイ旅行の渡航費用について(一の10)

5 第一生命保険相互会社の保険料払込の資金について(一の10、二の10、三の9)

6 丸京商事設立準備金の積立について(二の10、三の9)

7 伊坂そのに対する売掛金および貸付金について(二の9)

8 株式会社日昌との取引について(二の9)

9 競走馬(日昌号)購入資金について(三の9)

10 亀甲石の買入について(三の9)

11 第一生命保険相互会社の借入金返済について(一の40、二の12 20、三の18 19)

一、登記官作成の登記簿謄本(全般)

一、吉田邦彦、堀内健一、長尾和興、萩真男、水野勝に対する大蔵事務官の各質問てん末書(全般)

一、横田匡弘に対する大蔵事務官の質問てん末書二通(二の10、三の9)

一、東和信用組合秋葉原支店長梅沢登作成の預金取引内容についてと題する書面(一の1、三の1)

一、第一生命保険相互会社取締役社長今井七雄作成の契約者貸付金取引の内容についてと題する書面(一の40、二の12 20、三の181 9)

一、神田税務署長作成の証明書(一の25 26 27、二の23 24 25、三の24)

一、大蔵事務官作成の次の書面

1 簿外預金残高調査書(一の3 4 5 6、二の3 4 5 6、三の3 4 5)

2 期末簿外商品調査書(一の8、二の8、三の7)

3 認定賞与計算書(一の39、二の35、三の35)

4 売掛金(ダイエー)調査書(二の7、三の6)

5 未納事業税調査書(一の41、二の36、三の34)

一、押収してある次の証拠物(昭和四七年押一二〇七号)

1 総勘定元帳三綴(符号1ないし4)(全般)

2 法人税確定申告書三綴(符号18ないし20)(全般)

(法令の適用)

1  被告人会社につき各法人税法一五九条、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項。

2  被告人宮崎につき各法人税法一五九条(各懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(第三の罪の刑に加重)、同法二五条一項(主文2)。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 松本昭徳)

別紙一 修正貸借対照表

宮崎電機株式会社 昭和44年2月28日

<省略>

別紙二 修正貸借対照表

宮崎電機株式会社 昭和45年2月28日

<省略>

別紙三 修正貸借対照表

宮崎電機株式会社 昭和46年2月28日

<省略>

別紙四 法人税額計算書

宮崎電機株式会社

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例